Bluebird~恋と愛のちがいについて~

自分の恋愛やセックスを振り返って整理していこうと思います♡

二十歳 ジャスミンとタクオ(56)

目覚ましの音で目が覚めた。

ズルズルとベッドから抜けると、湯船にお湯を張る。

裸になると髪と身体を洗う。

そのまま、お風呂掃除をした。


ゆっくりと湯船に浸かる。

このお風呂も最後だと思うと淋しい気持ちになった。

タクオは大丈夫だったのだろうか。

考えないようにしていても、不安な気持ちが付きまとう。


お湯を抜きながら、浴槽内を洗った。


身体を拭いたバスタオルで浴室の水分をすいとるように拭いた。


下着だけ付けて濡れたバスタオルやシーツ、布団を燃えるゴミの袋に入れる。

そうすると部屋は急にガランとしてしまった。


時計を見ると8時過ぎだった。

髪を乾かしているとドアがノックされた。

ノックの仕方でタクオだと分かる。

急いで開けると目の下にクマを作ったタクオがいた。


「大丈夫だった?」


そう聞くと


「うん。ごめんな。」


と笑う。


「ちょっと寝かせて。」



そう言うと私の膝に頭を乗せて寝息を立て始めた。

眼鏡をソッと外して、テーブルに置く。

ストレートのサラサラの髪を撫で続けた。


一時間程でタクオは目を開けた。


もそもそと私の腰に手を回して抱きついてくる。


「何かあった?」


と聞いてみる。


「何にもない。ただ、眠れなかっただけ。」


何かあったのだろう。

でも、タクオは話す気がないように思えた。

それ以上は聞かないことにする。


宅配業者に電話を掛けると夜じゃないと取りに行けないと言われたが、当然と言えば当然だ。引っ越し時期に当日に依頼すること自体迷惑だよね。



でも、待てない・・・



タクオが車を出してくれることになった。

流石に抱えて持ち込むのは無理だ。

タクオが車を取りに行ってくれている間に部屋に掃除機をかけて、ごみ袋に入ったお布団を捨てに行った。


帰って来たタクオの車に荷物を積み込み、スーツケースも乗せた。


私は部屋に鍵をかけた。

菓子折りを持って大家さんにそれを返し、挨拶をした。




タクオが助手席のドアを開けてくれる。

私が乗り込むと静かにドアを閉めた。


「夜、何が食べたい?」


私が聞くと


「ハンバーグ。」


予想通りの返事が帰って来た。


宅配便を出し、二人でスーパーで買い物する。

16時からタクオは2時間のバイトだ。


スーツケースと買い物袋をタクオが持ってくれ、部屋に上がった。



タクオが部屋を出るまでに一時間半ある。

お昼ご飯を食べてなかったから、駅前でケーキを買って貰った。


イチゴショート2個。


私が2個食べる。

紅茶を入れた。


タクオは甘い物が苦手だからポテトチップスとコーラ・・・


真っ白なケーキ皿にショートケーキを取り


「いただきます。」


と手を合わせた。


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「ホントに二個食べちゃったね。」


タクオが私を見て言う。


「やる時はやるのよ。」


そういうと笑っていた。



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