Bluebird~恋と愛のちがいについて~

自分の恋愛やセックスを振り返って整理していこうと思います♡

二十歳 ジャスミンとタクオ(55)

「見なきゃ良かった。」


ジャスミンの感想だ。


「ルルがタクオに甘えてるなんて。」


そうも言った。


でも。


「私に手を差し出してくれて嬉しかった。」


とも言っていた。


実はその辺のことはあまり覚えていない。

ぼんやりと霞がかかったような記憶しかなかった。


最後は覚えているんだけど。


着替えて、汚してしまったシーツを張り替えると私達はジャスミンの部屋を出た。

部屋を出るとタクオは私を強く抱き締めた。




まだ23時だった。





最後だから散歩したい、と私が言うとタクオが頷いた。

手を繋いでプラプラと歩く。



不意にタクオが


「明日は家に泊まれば?そうすれば、部屋の中を全部綺麗に出来るじゃん。」



そう言う。


正直ありがたかった。


大家さんの部屋のチェックは終わっているし、後輩は私が出る日に荷物を運び込む。

明日、宅配業者に取りに来て貰えばいい。

そうすれば、明後日の朝には部屋は綺麗に空いた状態だ。

大家さんへの挨拶も明日済ませればいい。



タクオのマンションの下を通る。

タクオの部屋を見上げると、灯りがついていた。


「タクオ、電気消し忘れた?」


嫌な予感がする。


「いや、今日は電気は点けてない。」


顔を見合わす。


「彼女?」


そう聞いてもタクオは答えない。

どうすれば良いか、考えているのだろう。


「いいよ、帰って。喧嘩とかして欲しくない。」


本心だった。


タクオは私の手を強く握って来た。


「ルル、送ってく。今日は部屋に戻るけど、明日は必ず空けるから。約束する。」


そう言った。


部屋に戻ると、タクオは私にキスをした。

名残惜しそうに抱き締めてくれる。


私は彼女が急に来たことが気になった。

明日会えなくなるのは死んでもイヤだった。





タクオが帰ってしまうと急に淋しさが襲って来た。

私は気をまぎらわせる為に、必要な物をスーツケースに詰め始める。

帰りは私が持って帰る。

中身はガラガラだったけど、宅配で出すと高くつくのが嫌だった。

ごみをコーポのごみ置き場に出す。


次に入る後輩に手紙を書く。


家電は全て置いていく約束だったから、荷物は段ボール5つに収まった。


窓を拭いたり、キッチンの仕上げ磨きや床拭きをするとあっという間に3時を過ぎた。


さすがに寝ることにする。

シャワーを浴びると、ベッドに潜り込んだ。












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