Bluebird~恋と愛のちがいについて~

自分の恋愛やセックスを振り返って整理していこうと思います♡

二十歳 ジャスミンとタクオ(47)

目が覚めると午前2時すぎだった。

私のお布団は私の愛液で濡れてしまったからだろう。

タクオと一つの布団に入っていた。


そっとタクオの首筋の匂いを嗅ぐ。


悲しい気持ちが沸き上がりそうになる。

渓流の音に神経を持っていき、その感情に蓋をする。


タクオの腰に手を回して抱きつくと、目を閉じた。





「ルル、起きる?」


タクオの声で目を覚ました。


時計を見ると7時だった。

8時から朝食になっている。


お風呂に入ってから、朝食を食べに本館に行くことにする。


その前に布団のシーツを外して、小さく畳んだ。

仲居さんにその作業をして貰うのは、どうしても気が引ける。恥ずかしさもあった。


お風呂で何度もキスをした。

キスするとしたくなる。

そんな時間はないと分かっていたけれど、キスしたかった。




朝食を食べると、私達は箱根神社に向かった。

ゆっくりと散策する。

私はタクオに聞きたかったことを勇気を出して聞いてみることにした。


「タクオはこれからどうするの?」


私は真っ直ぐ前を見て、言葉を口にする。

タクオがこちらを見ているのが分かる。


「ルルとのこと?」


私は頷いた。


「ルルはどうしたいの?」


一番聞かれたくないことを一番最初に聞いてきた・・・


「私は・・・出来ることならこのまま付き合いたい、と思ってる。」


と答えた。

タクオは黙っている。



「彼女とは別れられない?」


思いきって聞く。


「うん。それは無理かな。」


小さな声で静かに答える。


自分の実家の話をしてくれた。 



タクオの家は一般の人と宗教が違うこと。

自分は形ばかりの活動しかしていないから、深くは考えずにいたこと。

その宗教は同じ宗教を信仰する者同士での結婚が絶対であること。

彼女は生まれた時からの許嫁であること。



「俺がルルを選んだら、あの子は一生一人で生きて行かなきゃいけなくなる。」


とタクオが言った。


「なんで?」


私が聞くと


「バージンじゃないから。同じ宗教内での結婚はもう出来ないんだ。バージンだったら大丈夫だったんだけど。彼女の両親は幹部だから。抜けることは出来ないんだよね。」


私は騙されてるんだろうか。

そんな話ってある?


でも、タクオが嘘をついているようには思えなかった。


返事が出来なかった。

目の前の景色が涙で歪んで見えた。


タクオを困らせたくはない。

でも、失いたくもなかった。


私はどうすればいいんだろうか。







×

非ログインユーザーとして返信する