二十歳 ジャスミンとタクオ(35)
昨日使ったバイブとローターが部屋に転がっている。
私はベッドからそれを眺めていた。
何となく、空しい。
起き上がり、洗って消毒して箱に戻す。
今日はサークルの集まりがあったはずだ。
二年生は少ないかもしれないが、行ってみようか。
着替えて軽くメイクをすると、部屋を出た。
学校に向かう道で竹下君と会った。
(注:始めての夢精での相手が竹下景子だった竹下君ね。)
「明けましておめでとう」
と言うと
「おめでとう。ジャスミンは?」
と聞かれ、20日に帰ってくると伝えた。
竹下君は見た目もそうだが、中身も真面目だ。一年生の頃に三回も告白してくれた。
瞬殺で断ったけど。
二年になって、真面目そうな彼女が出来た。170cmくらい身長があるスラリとした同級生の彼女だ。
うちの短大は男子が少ない。
そのせいか、どんなに冴えなくてもそれなりのコミュニケーション能力があれば彼女が出来る。
男子からすれば、ハーレムのような場所だ。
彼女はみっちゃんという。
「みっちゃんは?」
聞いてみると
「帰省してんねん。帰ってくるのは卒業式前や。」
と言う。その後、大きな溜め息をつく。
「どうしたの?」
と聞いた。
「うまくいってないねん。就職も近場に決めてんけど。」
そう言う。
「なんで?」
ついついツラれて方言が出てしまう。
「うーん。俺の浮気がバレてん。」
びっくりした。
心底驚いて竹下君を見る。
「誰にも言わんといてや。相手、ジャスミンやねん。」
えっえぇぇぇぇぇーー―っ‼( ̄□ ̄;)!!
「なんでっ?」
食いぎみに聞いてしまった。
年末にまだ残っていたサークルメンバーで集まり、ジャスミンの部屋で忘年会を開いたらしい。
そこで酔った勢いでセックスの悩みをジャスミンに打ち明けたらしい。
悩みの内容は
「みっちゃんはちょっと潔癖症で、クンニをさせてくれず、フェラチオもしてくれない。やってあげたいし、してもらいたい。どうしたらいいんだろう?」
というものだったらしい。
それから先の展開は容易に想像がつく。
お酒を飲んでムラムラしちゃったジャスミンの餌食になったんだろう。
案の定
「気持ちいいことだって教えてあげればいいんだよ‼やり方分かる?」
とジャスミンは言い、ベッドでレッスンしたらしい。
自分の性器を使って実践させてくれ、フェラチオの気持ちよさを教えてくれたまでは良かったが、勢いでセックスまでしてしまい、和巳君がみっちゃんにチクッてしまったと。
最悪。
最近のジャスミンは節操が無さすぎる。
私は少し竹下君に同情してしまった。
ちゃんと謝っても許して貰えないレベルだよね、それは。
特にみっちゃんが潔癖症なら尚更だ。
タクオはジャスミンとしたのだろうか?
急に不安になってしまった。