二十歳 ジャスミンとタクオ⑩
その日、私は久しぶりに自分の部屋にいた。
ジャスミンが実家に帰ったからだ。
就職活動の為、一週間帰省していた。
コンビニに牛乳と卵を買いに行くと、タクオに会った。
バイト帰りだと言う。
「一緒に飲まないか?」
とタクオが言うので、OKした。
どうせ私も暇だった。
部屋に帰って、テーブルに柿の種を広げる。グラスにビールを注いで乾杯した。
「ジャスミンとはうまくいってる?」
と聞かれた。
タクオは三人でいる時には、そんなことは口に出さない。
「うん。多分。」
そう答えると
「多分って。うまくいってる人はそんな答え方しないよ。」
と笑う。
私は自分が抱えている感情をタクオに話した。
「それはルルの感情がLOVEじゃないからだよ。」
と言われる。
あっ、やっぱり?
心の中で呟く。
黙って俯く私にタクオがキスして来た。
唇の真ん中を舌先で撫でて、チュッと吸われる。
私が吸い返すと舌を入れて来た。
優しく舌を吸う。
チロチロと舌先を絡めて、また吸う。
「俺、ルルとしたい。」
タクオが片手で眼鏡を外す。
眼鏡を外すと印象が変わる。
目鼻立ちが整った、ホリの深い顔をしている。少し、キツく見える顔だ。
眼鏡を掛けた方が優しそうに見える。
タクオの首に腕を回す。
私からキスをした。
目を見つめながら、舌を出して舌先を動かす。タクオが焦れて、強く吸うと私は笑ってしまった。
「とりあえず、シャワー浴びよ。」
そう言うとタクオは頷いた。