二十歳 ジャスミンとタクオ⑦
少しは酔いが冷めたのだろう。
ジャスミンは自分で立ち上がって、浴槽から出た。
三人が洗い場にいるとギュウギュウである。
私は浴槽にもう一度浸かる。
二人はお風呂場を出ていった。
しばらく浸かってから、バスタオルを巻いて出ていくと、タクオがジャスミンにパジャマを着せていた。
その光景が介護のようで、私のツボに入った。笑ってしまった。
冷蔵庫を開けて缶ビールを出す。
タクオに「飲む?」と聞くと、親指を立てた。
グラスにビールを注ぐ。
贅沢な話だが、私は炭酸飲料は全てグラスに注ぎたい。
炭酸飲料って泡があるから美味しいって思うのよ。泡も味のうちなの。
だから、グラスに注ぎたい。
ジャスミンには白湯を作った。
白湯が出来上がる頃にはジャスミンはタクオの膝枕で寝息を立てて眠っていた。
「ベッドに運ぼうか。」
私が言うとタクオは頷いた。
脇の下に腕を通してジャスミンを起こすと、抱きついて来た。
そのままタクオに支えて貰って立ち上がらせる。
「ベッドに行くよ。」
と声を掛けると
「はいっ‼」
とジャスミン。
返事はいつも百点満点やな、と思う。
タクオがジャスミンをお姫様抱っこしてベッドへ運ぶ。
ビックリした。
160cmでも男なのね。
軽々と持ち上げると、ケラケラとジャスミンが笑う。
「タクオって男なんやね。」
私が言うと
「当たり前だ。」
と返ってきた。
「みんなで寝ようよ~✨」
ジャスミンが言う。
ジャスミンのベッドはセミダブルだ。
二人は寝れるけど、3人はキツイ。
下に布団をひいた。
リビングはそのままに明かりを消した。
ベッドにジャスミンと私。
下にタクオが寝る。
私が横になると、ジャスミンがくっついて来た。
「ルル、キスしていい?」
小声で聞いて来る。
動揺した私にジャスミンの唇が重なった。
柔らかい。
女の子の唇ってこんなに柔らかいものなのか?
イヤじゃなかった。
イヤじゃないけど、タクオがいる。
何も言わなかったら、ジャスミンはもう一度唇を重ねて来た。
私の上唇を軽く吸う。
チュッと音がなった。
タクオが起き上がる。
「ねぇ、聞こえてるんだけど?」
そう言うと、ベッドにもたれ掛かった。
ジャスミンが起き上がって、ベッドをポンポンと叩き、タクオを呼んだ。
「3人でしちゃう?」
その言葉にドン引きしている私がいた。