二十歳 ジャスミンとタクオ⑥
裸になって、ドアを開けるとタクオがジャスミンの髪を洗っていた。
私を見てタクオが口笛を吹いた。
「ルル、マジでオッパイすごい。」
とタクオ。
「でしょ?綺麗なオッパイ。ルルは裸がスゴい女。」
とジャスミンが言う。
私のオッパイはブラを外しても形が変わらない。
お椀型で高い位置にオッパイが納まっている。
シロさんもすごく褒めてくれていた。
「ルル、脚長いな。股下いくつ?」
「知らへん。」
シロさん以外の異性に身体を見られるのは初めてだった。
恥ずかしくて、慌てて掛け湯をして湯船に浸かった。
ジャスミンは日焼けしている。
タクオも日焼け派。
私だけ白い。
二人を見つめる。
タクオはチビだけど、バランスの良い身体をしている。
今でいう細マッチョだ。
ジャスミンは柔らかな肉質で上半身は華奢だが、下半身にはしっかりと筋肉がついている。
髪を洗って貰いながら、ジャスミンは楽しそうだった。
「タクオって髪洗うの上手だねぇ。気持ちいい✨」
と歌うように言う。
その後、タクオは石鹸を泡立てて手のひらで身体を洗ってあげていた。
性格が出てるなぁと思って見ていた。
タクオはやってあげたい人。
ホスピタリティーもサービス精神も旺盛。
ジャスミンは甘え上手で周りが世話を焼いてあげたくなる人。
でも、やはりホスピタリティーもサービス精神も旺盛だ。
二人と交代して、洗い場に出る。
二人並んで湯船に浸かっている。
嫌な予感しかしないわ・・・
「ルル、体重何キロ?」
とタクオ。
「ルルの体重は44kg。身長は165cm。Fカップ。」
ジャスミンが答えると
「ほんとに何でも知ってるなぁ。」
と言う。
「私は身長154cm。44kgで体重だけは一緒。無理矢理寄せてBカップ♪」
とジャスミン。
「ルルはもう少し太った方がいいよ。洋服着てると分からないけど、細すぎる。ちょっとびっくりした。」
とタクオ。
そうなんだよね。
私は着太りする。
身体の線に沿ったジャストサイズの洋服を選べばそんなことはないけど、バストに合わせるとサイズがSサイズからLサイズにあがる。
胸以外がブカブカになる。
だから、Tシャツやパーカーでうまく誤魔化していた。上半身がBIGになるから、ボトムスはスリムタイプのジーンズばかりだった。
そうすると着太り感が若干マシになるような気がしていた。
リブのカットソーとかは絶対無理。
オッパイばかりが目立ってミサイルみたいになる。
オッパイミサイル・・・
それってマジンガーZに出てくるアフロダイAやん。
「あと5キロくらい太りたいねんけど、増えへんねん。毎日今日ぐらい食べてたら肥るやろうけど。」
シャンプーしながら言うと
「そりゃ、速攻でおブタになるね。」
とタクオが笑った。
「のぼせそう。」
そう言いながら、タクオが湯船から上がった。
コンディショナーをつけて洗い流してくれた。
「身体、洗ってあげようか?」
そう言われて、振り返ってタクオを見る。
ニヤニヤしていた。
カッと顔が赤くなるのが分かる。
「からかわんといて。」
私がそういうと、特に気にした様子もなくタクオは石鹸を泡立て始めた。
背中を洗ってくれる。
「あ~、やっぱりもう少し太りな。ちょっとゴツゴツし過ぎだよ。」
と言う。
「えーっ、私は好きよ。今のルルのスタイル。モデルみたいじゃん。入学した時のルルも好きだけど、今のルルはもっと好きよ。」
とジャスミン。
私が今まで生きてきた中で、こんなに好き好き言ってくれた人がいただろうか?
考えてみたら、彼女は毎日私に「好き」を伝え続けてくれた。
勿論、その意味を「LIKE」で受け止めていたけれど。
「ジャスミン、ありがとね。好きって言ってくれて。私、それで救われ続けてたわ。」
自然と口からそんな言葉が出ていた。
「びっくりさせてごめんね。」
ジャスミンは笑って言った。