二十歳 ジャスミンとタクオ②
5時過ぎにタクオがやって来た。
ジャスミンと私は10個のクラッカーを全部鳴らした✨
テンション高く、ハッピーバースデートゥーユーを歌った。
プレゼントを渡す。
それから、シャンパンを抜いた。
抜いたのは良いが、栓があんな風に発射されるなんて知らなくてビックリした。
ビックリしすぎて、三人で笑い転げた。
なんせ、初めてのシャンパンでしたから✨
やや甘口を選んで正解だった。
いや、アドバイスはサークルの先輩にして貰った。地元の酒屋の娘の先輩はお酒に詳しかった。
「初めてなら、少し甘いくらいが飲みやすいよ~」
と勧めてくれたものを購入した。
口当たりが良く、飲みやすい。
「美味しいねーっ✨」
とクイクイ飲んでいたら、三人とも結構な早さでほろ酔いにw
熱々のポテトグラタンを食べる。
アンチョビとニンニクが効いていてシャンパンによく合う。
サラダを食べると結構お腹いっぱいになっていた。
時計を見るとまだ7時にもなっていない。
タクオが
「お酒が足りないぞ。買いに行こう✨」
といい始めたので、三人でコンビニに行くことにした。
三人で手を繋いでドリカムを歌いながら、田舎道を歩いた。
完全に酔っぱらいであるw
コンビニでビールとジンジャーエールを買った。
タクオは「シャンディ・ガフ」が好きで、私達に教えてくれた。
ビールだけだと苦くて美味しいと思えなかったけれど、ジンジャーエールで割ると美味しかった。
私とジャスミンはコークハイも好き。
でも、カルアミルクは苦手だった。
ジャスミンの部屋に戻り、何だかんだと話をしていたら、キスの話になった。
どんなキスが理想か?
とか
どんなキスが好きか?
の話になった。
タクオが
「女の子の唇のが柔らかいよね。」
と言うとジャスミンが
「そうだね。」
と返す。
「へぇ、そうなんだ~。」
と言いながら、気づく。
「えっ?ジャスミンは女子とキスしたことあるの?」
と私。
「あるよ。私、バイだもん。」
酔ってはいたが、その発言は酔いを吹き飛ばすくらいの威力があった。
目を見開いてジャスミンを見つめる私に
「俺もバイだよ。」
とタクオ。
「‼」
なんだって?
「ルルも多分バイでしょ。」
とジャスミン。
考えたこともなかった。
というか、その時点で私はノーマル以外の選択肢なんてないと思っていた。
本当に考えたことがなかったのだ。
「私はルルに一目惚れだったし、ずっと好きでそういう目で見てたけど。気づかないよねぇ、あなた。」
と彼女は言った。
「俺は気づいたけどね。」
とタクオ。
なんだって?
知らずにのほほーんとしてたのは私だけってこと?
全く気づいていなかった。
ジャスミンとタクオの間に流れる、私が立ち入れない空気はコレだったのだ・・・