Bluebird~恋と愛のちがいについて~

自分の恋愛やセックスを振り返って整理していこうと思います♡

19歳 シロ⑨

ゴールデンウィークは単発のアルバイトを詰め込んだ。


ジャスミンも一緒だったので、どのバイトも楽しめた。


彼女はすぐに誰とでも仲良くなる。
コミュニケーション能力は天才的だ。


週末は予定がなければ、どちらかの家に泊まるようになっていた。
時々、他の友達も泊まりに来た。


誕生日が近づいて来ると、みんながお祝いしてくれるという。
素直に嬉しかった。


「去年の今頃って、モメてたよね。」


ジャスミンが懐かしそうに言う。


シロさんが祝ってくれたことを思い出す。
あれからまだ一年しか経っていない。



実はゴールデンウィーク前にバイト先の男子からデートに誘われた。
スーパーのレジ打ちのバイトでラストまで入った時に、いつも私を部屋まで送ってくれる人。
同い年で他の大学に通っていて、五歳年上の彼女がいると言っていた。


名前は敬(タカシ)と言う。


年上の彼女とは、冷戦状態らしい。
喧嘩すると、彼女の気持ちが収まるまで無視されると言っていた。


みんなでカラオケに行った時に、敬が代表してメンバーズカードを作ってくれた。
その時に誕生日欄に書き込まれていたのは、私と同じ誕生日だった。


「あ、私と誕生日一緒だ。」


私が言うと、彼は


「マジ?運命感じちゃうね‼」


と言った。



いや、全く。
でも19歳だと、誕生日が同じ男性に遭遇したら運命を感じるのが普通かしら?





うーん。




敬は身長180cmくらい。
細身で小顔。
顔はウルトラマンタロウみたいだった。
いつも目元にクマを作っていて、眠そうにしていた。
語尾に「○○だべ。」と、方言が入る。
大してイケてない容姿と性格だが、話し方と話す内容はイケメン風だった。
ボーイスカウトに入っていて、そのイベントに来たアイドルと付き合っていたと自慢げに言っていた。



それを聞いて
「嘘つくなら、もっとまともな嘘つけやっ✨」
と私は思ったけれど、半笑いで流した。



年上の彼女はマキさんと言う。
元々スーパーでバイトしていたそう。
私は会ったことがないけれど、他のバイトの子達は知っているようだった。
ピアノの先生をしているらしい。




深窓の令嬢のイメージが私には浮かんだけれど、令嬢はスーパーでバイトなんてしないよねw



その彼女と冷戦状態の為か、敬は私を誘って来た。



「ドライブに行かない?」


そう言われて


「私、遠出すると車酔いするからイヤだ。」


と断った。
すると、酔い止めは自分が用意するからと言うもんだから何となく行っても良いかな?と思ってOKを出した。



彼がデートプランで組んで来たのは、神社巡りだった。
最初は「えっ?」と思ったが、行ってみるとすごく楽しめた。


お蕎麦の老舗に連れていってくれたり、濃厚なソフトクリームを食べたりして、私は大満足だった。



夕方に部屋まで送ってくれた。
「じゃあね。」
と言って部屋に向かって歩きはじめると、急に呼び止められた。


「ごめん!トイレ貸して。」


と敬が言うので、トイレを貸してあげた。


トイレから出てきた敬が私にキスして来た。
デートが楽しかったからか、私はイヤな気はしなかった。
そのキスを受け入れた。



が、すぐに後悔した。



敬のキスは癖が凄かった。
唇を吸われて痛い。
力任せに吸引するのだ。
そして、舌も同様に吸引。
引っ張られすぎて、私は噎せてしまった。
その上、唾液は垂れ流し。
唇の周りだけじゃなく、顎先から滴り落ちそうな程だった。


私は敬から離れて、手の甲で口許を拭った。


「ルルの唇って柔らかくて気持ちいい。」


そう言われたけど、私の唇はすでにヒリヒリし始めていた。
大変失礼だか、この時点で私の中で
「ないな。」
と結論が出ていた。


ドキドキしなかったし、敬の唇とキスの仕方が私好みじゃなかった。



S君との事故キスとシロさんとのキスしか経験したことないくせに、かなりの上から目線じゃねーかっ‼



と思わなくはないが、なんせ涎でベッタベタなキスはなんかイヤだった。



敬はそれから先に進もうとしたけれど


「ごめん。生理だから。」


と言ってお断りした。
敬に対して、私の生理は365日ずっと継続するだろう。


鏡を覗き込むと立派な二重唇になって、腫れていた。
もう2度とないな。



キスは千差万別✨



みんな違うのね。
勉強になりました。



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