19歳 シロ⑥
卒業式の手伝いにサークルのメンバーが駆り出された。
ジャスミンと私も出ていた。
「シロさんと彼女を見ることがツラいなら、無理をすることはないよ。」
ジャスミンはそう言ってくれたけれど、私がシロさんと会うことはその日が最後だ。
どうしても会いたかった。
顔が見たかった。
声が聞きたかった。
あの人と一緒にいる彼でも構わないと思っていた。
何も話せず、近寄ることもなく、卒業式は終わった。
もう会うことはないんだな。
涙が溢れた。
ジャスミンがそっと手を握ってくれた。
彼女も泣いていた。