Bluebird~恋と愛のちがいについて~

自分の恋愛やセックスを振り返って整理していこうと思います♡

19歳 シロ③

学校が始まる3日前に私はアパートに戻った。


ジャスミンが駅まで迎えに来てくれて、私はお土産を渡した。



何となく、ジャスミンの様子が変だった。
何か言い掛けては、話題を変えて話しているような感じがした。


向日葵のような笑顔もない。


「どうかした?何かあった?」


そう聞くと


「何でもないよーっ‼」


と少し笑った。



食品の買い物をしたり、部屋の掃除をしたりで、その日は慌ただしく過ぎた。



夜にシロさんに電話したけれど、出なかった。


次の日の朝早く、私はシロさんのアパートを訪ねた。
お土産を渡したいのと、ビックリさせようと思っていた。




ノックをしたが、返事がない。



「まだ寝てるのかな。」



そう思った。
合鍵を出す前にドアノブを回してみると、すんなり開いた。



同時にハイヒールの紫のパンプスが目に入った。




視線をあげると、ベッドからシロさんと見覚えのある女の人が私を見つめていた。



私は急いでドアを閉めた。



何が起こったのか分からなかった。


「あの人、誰だっけ?」


記憶を手繰り寄せるけれど、うまく思い出せない。
でも、私はその女の人を知っていた。



ベッドにいたということは、そういうことなのだろう。


胸の辺りが空っぽになった気がした。


隣のドアが開いた。
チビさんが顔を出す。


「ルル吉、ちょっと寄ってけ。」


そういうと私の腕を掴んで、部屋に入れてくれた。


そこにはチビさんの彼女の小阪先輩もいた。



空気が重い。


「みんな知ってるんだ。」


私はそう察した。


ジャスミンの様子がおかしかったのは、彼女も知ってたからだと気づく。


促されて、私は二人と向き合う形でテーブルの前に座った。


「来てただろ?」


チビさんが言う。
私が頷くと、小阪先輩が


「大丈夫?」


と気遣ってくれた。


大丈夫・・・ではないな、多分。


「何で?」


その言葉が頭の中でグルグル回っていた。


「シロが好きなのはルル吉だよ。」


チビさんが言ったけれど、その言葉が私には理解出来なかった。


「好きなら、何で?」


「何で他の女とセックスするの?」


「何で部屋に入れるの?」


「何であのベッドでしたの?」


「何で?何で?何で?」


そればかりだった。



あの人は同じ短大の先輩だった。
シロさんやチビさんの同級生だ。


シロさんがバイトしている居酒屋の隣のスナックでバイトしていたらしい。


出前を頼まれて、シロさんが運ぶうちに話をするようになり、親しくなったと言う。


「シロはあぁ見えて淋しがり屋だから。ルル吉が実家に帰ってしまって、淋しかったんだと思う。9月の初めに酔った勢いで関係持っちゃって、それきりにしようとしたけどズルズル続いてたみたい。でもさ、ルル吉帰って来たわけだし、もう終わるよ。大丈夫。」


とチビさんが言った。


大丈夫?
何が大丈夫なんだろう。
終わらせるなら、私が帰って来るまでに終わらせるのが筋じゃないか?
私はこんなこと知りたくなかった。
私のことが好きなら、間違いだって言うなら、過ちは一回で終わらせろ。
一回なら間違いだって信じようと努力する。
でも、何回もセックスしといて間違いなんてあり得ない。



私は何も言えなかった。
涙も出なかった。


現にシロさんは私を追いかけてすら来ない。


そういうことなのだ。



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