Bluebird~恋と愛のちがいについて~

自分の恋愛やセックスを振り返って整理していこうと思います♡

短大入学 一目惚れ⑭

8時にアパートの下に降りるとシロさんが待っていた。


今日は自転車だった。


いつもジーパンだった私が、スカートを履いていたので少し驚いていた。


「スカートも履くんだね。」


と言いながら、自転車の後ろに乗るように促された。


後ろに乗るのはいいが、スカートなので横座りになる。

どこを持てばいいのやら・・・

早くもスカートを履いてきたことを後悔していたら、


「ちゃんと俺に掴まって。」


とシロさん。

腰に手を回すように、手を引っ張られた。


あまり密着しないように・・・

誰にも会いませんように・・・


そればかり考えていた。


でも、シロさんは何だかとても楽しそうだった。



自転車だと、彼のアパートにすぐに着いた。



部屋に入ると、私の視線はゴミ箱に注がれる。ピンクの歯ブラシは無くなっていた。




テーブルの上にはケーキが用意されていた。


チョコレートのプレートには


「ルルへ  19才おめでとう」


の文字。


部屋の灯りが消されて、ろうそくの炎が揺れていた。


「1日早いけど、おめでとう。」


シロさんはそう言って笑った。


ろうそくを吹き消して、灯りを付けて二人でケーキを食べた。



幸せだだった。

彼を好きだと思った。



ビートルズの曲が部屋に流れていた。


お皿とコップは私が洗った。

洗い終えた時に、また抱き締められた。


「嫌じゃなかったら、腕を俺の首に回して。」


とシロさんが言う。


クラクラした。

クラクラしながら、首に腕を回す。


同時に唇が重なった。


息が止まる。


私の唇を軽く摘まむようなキスを繰り返す。


「息して。唇の力抜いて。」


そんなことを言われても、上手くいかない。


唇を彼の舌がなぞっていく。

軽く咬んだ後に吸われるとチュッと音がする。

何度も何度も。

唇を重ねた。



背中を優しく撫でられていると力が抜けていく。



しゃがみ込んだ私の髪にキスをする。



「お風呂入ったの?やっぱり、いい匂いがする。」



とシロさんは言う。


あの後、ジャスミンの部屋に戻ってシャワーを借りた。

そうしておいて良かったと思った。



私の頭を支えながら、ゆっくりとシロさんの顔が近づいて来た。


そのまま倒れ込むように横になった私に、覆い被さるようにシロさんが重なった。


頭の中が真っ白だった。


唇を吸われ、

「口開けて。」

と囁かれる。

恐る恐る少しだけ口を開けると優しくこじ開けるように舌が入って来た。

彼の舌は私よりも温かく、絡まってくる。私の舌と唾液をシロさんが優しく掬いとる。


ズズッと音がする度に恥ずかしさでおかしくなりそうだった。

その音がやけに大きく聞こえて、顔が赤くなるのが分かった。


頭の芯が痺れるようにジーンとしてきて、現実か夢か分からなくなってきていた。


「真似してみて。」


そう言われて、舌を出してシロさんの舌をそっと舐めてみる。自分とは違う唾液の味が広がった。

舌で唇をなぞり、軽く吸う。

上手く呼吸が出来てないことは分かっていた。それでも夢中でシロさんの真似をして同じように彼の舌を吸う。


チュッとかズズッいう音が響く。


「上手だね。」


とシロさんは言った。


そんなわけはない。

ほぼ初めてに近いキスだ。


きっと私のキスは前カノよりもお粗末だろう。

そんな風に考えていた。


キスって舌を吸ったり絡めるんだ・・・


その時、私は初めて知った。


そんなこと、誰も教えてくれなかった。




ただ、ただキスをした。

ずっとキスがしたかった。




彼のキスが唇から離れても、私は夢見心地でそこから始まるコトについての恐怖心はなかった。







×

非ログインユーザーとして返信する