Bluebird~恋と愛のちがいについて~

自分の恋愛やセックスを振り返って整理していこうと思います♡

二十一歳 タクオと志賀さん(5)

タクオは涼しい顔だった。

私だけが動けない状況に腹立たしさが生まれていた。



「めっちゃひどい・・・」




私が呟くとタクオが笑う。




「可愛いなぁ。」




顔を覗き込んで髪を撫でてくれても、嬉しさは半分だ。


蝶の大人のおもちゃは海外旅行に行った友達のお土産だと言っていた。

私に使わなくていいんじゃないか?と思った後で考え直す。

彼女にこんなふうにされたら、もっとイヤだった。

泣いて求めるのは私だけであって欲しかった。



私はタクオに脚を絡めてピッタリと身体を寄せた。

まだ震えている内腿をタクオの手が優しく撫でる。




T「気持ち良かった?」


R「分かんない。」




本当のことだった。

気持ちいいの枠を越えてツラさも混じっていた。



セックスをして気持ち良くて、ワケわからなくなるのは幸せなことなのかも知れない。

でも、私はタクオとのセックスを覚えておきたかった。

ここまでじゃなくても満たされる自信があった。




とにかく、今日のはやり過ぎだと思っていた。




私はいつだってタクオとしたい。

タクオが求めてくれたらいつだってOKだ。

でも・・・今日のは本当にNGだと思っていた。







灯りを点けずにお風呂に浸かり、海を見ていた。

窓を開けると澄んだ冷気が流れ込んで気持ちいい。

波の音が微かに聞こえて来る。

後ろからタクオに抱かれるようにして、半身浴していた。




T「ルル、怒ってる?」



R「どうして?」



T「喋らないからさ。」



R「うん。怒ってる。」



T「どうして?」



R「・・・今日のはやり過ぎ。」



T「どうして?」



R「身体に気持ちがついていかなくて悲しかった・・・私はセックスでイケたら何でも良いなんて思ってない。」



T「・・・」



R「気持ち良くて泣いたんじゃなくて、悲しくて泣いてん・・・」



T「ごめん・・・」



少し迷ったけれど、振り返ってタクオにキスする。

せっかく会えたのに喧嘩を長引かせたくなかった。



「仲直りする?」



私が言うと彼は頷いた。

後ろから抱き締めてくれる。

体勢を変えて向き合うと、タクオの首に腕を絡めて抱きついた。



「私、タクオが電話してくれると幸せな気持ちになんねん。今日も私を覚えててくれたって思って嬉しい。声が聞きたくて仕方ない時もあるけど、電話が鳴るとホッとする。私はタクオのことが好きなんやって毎日確認してる。」



そういうとタクオは鼻で笑った。



「愛してるよ。いつだって。」



タクオの声が優しくて嬉しくなる。




私達はキスをした。

キスをして普通のセックスをした。

ちゃんと気持ちと行為が重なると、私は気持ちいい。

肌と肌がピタリと吸い付く感じになると

もっとしたい気持ちが沸いてくる。

満たされているのに、またしたくなる。


タクオとずっと一緒にいたいと思う。

私が愛してるのはタクオだけだ。




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