Bluebird~恋と愛のちがいについて~

自分の恋愛やセックスを振り返って整理していこうと思います♡

二十一歳 志賀さん(1)

十二月に入り、仕事が忙しくなっていた。

そんな中、関連会社の営業マンが出入りしていて、会話を交わすようになっていた。


私より5つ年上の26歳。

志賀 圭一郎さん。

身長は175cmくらいで標準体型。

お洒落で話が面白く、ハンサム。


本店に限らず、志賀さんに好意を寄せている女性行員は多いと年配女子行員が教えてくれた。


因みに志賀さんは誰にでもフレンドリー。

リップサービスはジゴロ並み。



本店には私以外に同期が9人いた。


女子5人。

男子4人。


その5人の中の3人が志賀さんを気に入っていて狙っているのは知っていた。



私?

あまり興味がなかった。

と言うのも、志賀さんは声が大きい。

私は声が大きい人が苦手だった。

デリカシーがなさそうな所やプライドが高そうな感じも苦手だった。




若いメンバーが企画したクリスマスパーティーに私は参加した。

マリさんとジョウさんに誘われたからだ。

マリさんとジョウさんとは週に一回は必ず会っていた。

マリさんと私はジョウさんにテニスを教えて貰っていた。

二人は私のことを気に掛けて色々と誘い出してくれる。

さんちゃんも来ていた。

転勤以来、初めて会った。


最初から最後まで4人でいた。


門限が近づいて、私だけ先に帰る。

心配したジョウさんが駐車場まで送ると言ってくれたけれど、私は大丈夫だと伝えた。


駐車場はお店のすぐ横のコインパーキングだった。


階段を降りると志賀さんに会った。


「丁度良かった~。」


と言われる。


R「お疲れ様です。」


と挨拶して、車に向かおうとする。


S「いやいや、ルルちゃん。話があるんやって。」


R「どうしたんですか?」



S「相談したいことがあるから、明日の仕事終わりに時間ある?」


R「明日は約束があるので・・・30分くらいなら大丈夫ですよ。」


S「5時半に桐谷珈琲で待ってる。」


と言われて頷いた。





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仕事が終わり、桐谷珈琲に向かった。

街はクリスマス一色だった。



桐谷珈琲に着くと、志賀さんはもう来ていて珈琲を飲んでいた。


R「お待たせしてすみません。」


S「俺も今来たところやから気にせんといて。」


R「早速ですけど。相談って何ですか?」


S「めっちゃせっかちやなぁ。何飲む?」


R「ミルクティーを。」


S「ここ、珈琲屋やで?珈琲にしぃや。」


R「すみません・・・珈琲アレルギーなんです。」


嘘をついた。

紅茶が好きなんです。

私はウェイトレスにミルクティーをお願いした。


S「えぇっ‼なんか、ごめんな。」


声デカッ。そう思った。


R「大丈夫です。」


S「タメ口でえぇよ。」


R「で、相談って何でしょうか?」


S「なぁ、俺と付き合わへん?」


R「えっ?」


S「ビックリした?俺、ルルちゃんのこと好きやねん。」


ウェイトレスがミルクティーを運んで来てくれた。



R「すみません。私、好きな人がいるんです。」


S「彼氏ちゃうやろ?じゃあ、デートしよ。」


私は敵を作りたくなかった。

志賀さんのことは何とも思ってない。

むしろ苦手だ。

黙っている私に


「じゃあ、一回だけチャンス頂戴。明日デートしよ。」


強引だった。


タクオの宿題を思い出す。

タクオの声が聞きたかった。


「じゃあ、一回だけ。」


そう言って私はミルクティーを飲んだ。


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