Bluebird~恋と愛のちがいについて~

自分の恋愛やセックスを振り返って整理していこうと思います♡

二十一歳 南口(5)

テーブルの上を片付けようと立ち上がろうとして、バランスを崩した。

タクオに抱き止められた。


どちらかと言うと私はお酒が強い。

呑んでも、自分で歩けなくなるようなことはそれまでなかった。


「ストローでワイン呑むとほんまに酔っぱらうんやね。」


と言うとタクオが小さく笑ったのが分かった。


座らされ、タクオが片付けてくれるのをただ見ていた。

申し訳なかった。



「ごめんね。」


と言うと


「何が?」


と笑う。


「今日、バイトは?」


と聞くと


「後輩に変わって貰ったから大丈夫だよ。」


と言う。








片付け終わると、お姫様抱っこでお風呂場に連れて行かれた。


「一人で入る。」


そういうと


「どうして?」


と聞いて来た。


私の身体にはあちこちに打撲の痕があった。

乳房には強く掴まれた時の指の跡が残っている。それをタクオに見られたくはなかった。

それに・・・久しぶりに、それも思いがけず会ってしまったから、心の準備も出来ていなかった。

黙っていると



「電気点けないで入るならいい?」



そう言われた。

迷ったけれど、頷いた。


脱衣場と浴室の電気を消すと真っ暗だった。

フラフラと揺れながら服を脱ごうとする私を、タクオが支えながら脱がせてくれた。


ジャスミンのことを思い出して、笑ってしまう。


「タクオは酔っ払ったジャスミンの服を脱がせてお風呂入れてあげてたんだよね?」


笑いながら言うと、タクオの顔が目の前にあった。


「あれはあれで大変だった。」


とタクオも笑う。



暗闇に馴染んで目が慣れて来ると、タクオの身体の輪郭が分かってくる。


身体を支えられて浴室に入り、掛け湯をして湯船に浸かる。

タクオは先には髪と身体を洗っている。


「彼女は元気?」


気になっていたことを口にした。


「うん。」


タクオは素っ気なく頷いた。


「なら、良かった。」


そう言うとシャワーの音に耳を傾けた。

身体の打撲は当たると痛みがあるが、当たらなければ平気だった。

ただ、見た目が大袈裟な位に内出血していた。


自分の身体を洗い終えると私に


「おいで。」


と声を掛けてくる。


「大丈夫、自分で洗う。」


と断ると


「いいから。」


と腕を掴んで立たされた。



髪を洗ってくれているタクオに


「タクオは元気だった?」


と聞く。


「うん。」


頭の上から声が返ってくる。


「会いたかった。」


と付け足される。


「うん。」


と答えた。




泡立てたボディソープで私の肌を撫でるように洗ってくれる。

胸やお尻、性器を触られると身体に力が入ってしまう。


「大丈夫だよ。」


タクオに囁かれて力を抜く。

シャワーで流されて、後ろから抱かれる形で湯船に一緒に浸かった

タクオの固くなったぺニスがお尻に当たる。

タクオは優しく私の腕を撫でて、肩にキスをした。



どうしていいか、分からなかった。




ジャスミンのパジャマを借りて着替えると、私の髪を乾かしてくれた。


酔いが冷めはじめて、私は自分でちゃんと立てた。

歯磨きをする。

歯茎の傷から血が出て、歯みがき粉の泡を赤く染めていた。




手を引かれてベッドに横になる。


眼鏡を掛けたタクオの顔が目の前にあった。指先で鼻から唇を撫でる。


こんな顔で会いたくなかった・・・そう思っていると


「大丈夫。」


とタクオが呟く。

エスパーか?と言いそうになって止めた。




私の顔にタクオの指先が触れていく。

額から瞼に。

瞼から頬に。

優しくキスをされて、吐息が漏れた。





切れた唇を優しく舌先がなぞる。

上唇の中心を軽く吸われるとチュッと音がした。


最後だと思って抱き合った5ヶ月前のことを思い出す。


「痛かったら言って。」


そう言いながらキスするタクオのことを優しいと思った。


眼鏡を外しながら、タクオが笑う。

私を抱き締めると


「俺、やっぱりルルのこと好きだ。愛してる。」


と言う。


そのまま私達は眠った。







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