Bluebird~恋と愛のちがいについて~

自分の恋愛やセックスを振り返って整理していこうと思います♡

二十歳 ジャスミンとタクオ(52)

タクオに髪の毛を乾かして貰う。

手ぐしで優しく髪を鋤きながら風を当てて、丁寧に乾かしてくれる。

気持ちよくて眠くなる。


乾かし終わると、お礼にミルクティを作る。

牛乳の中にティーバッグを入れて火にかける。ゆっくりと煮出す。

使いきりたかった蜂蜜を垂らして入れる。

紅茶の香りと蜂蜜の甘い香りが部屋に広がっていく。

タクオが初めて部屋に来た日も紅茶をいれたっけ。



メガネを外す仕草にドキドキした。

パッドの跡をいつも気にしていたけれど、私はその跡が好きだった。

品の良い雰囲気も、博識な所も好き。

高くて形のいい鼻も好き。奥二重の目も、一文字の形のいい唇も好き。

上唇の真ん中がプクッと膨らんでる所も好きだった。

筋肉質の体もしなやかな手の動きも。

感情の抑揚がないような淡々とした話し方も、ゆったりとした話の間合いも大好きだった。



タクオのような人に私は生まれて初めて会った。

これから先、彼のような人は現れるのだろうか。




マグカップにミルクティを注ぐと涙が溢れた。嗚咽を堪えようとしてもダメだった。


気づいたタクオが私を抱きしめてくれた。

「ごめん。」

耳許でタクオの声が囁く。

「愛してる。」

そう言われて、私はタクオを強く抱きしめた。



私達はぴったりとくっついて眠った。

タクオの匂いと体温を忘れないように。

規則正しい寝息を立てるタクオの鼓動を聞きながら目を閉じた。



目が覚めるとタクオと目が合った。


手を伸ばしてタクオの胸に顔を埋める。

私がぐいぐいと顔を押し付けると


「クククッ。」


と彼は笑った。


「ちょっと痩せたでしょ?」


タクオの声が頭の上から聞こえる。

食欲が落ちていたから、少し痩せているかもしれない。肋骨がうっすらと浮き出て来たのが気になってはいたけれど、体重計で計ってないので何キロになっているかは分からない。


タクオの指先が背中を撫でる。


モソモソと枕まで戻ると、手を伸ばして人差し指でタクオの顔を撫でていく。



「俺、ルルのことずっと見てた。ジャスミンを通して仲良くなれて、毎日楽しくて仕方なかった。初めてキスした時に嬉しかったよ。3Pだったけどさ。だから、ルルが俺と付き合ってもいいって言ってくれた、あの夜は眠れなかった。」



「嘘だぁ。全然そんな感じじゃなかった。タクオは慣れてるなぁ・・・って思ってたよ、私。」


首筋にキスをする。


「かっこつけたかっただけだよ。」


タクオの親指が私の唇を撫でる。


タクオはどんなふうに彼女を抱くのだろう。不安な気持ちを心の隅っこに押しやっていたはずなのに。


「彼女のことは好き?愛してる?どんなふうに抱くの?何回するの?」


言ってしまって後悔した。


「あの子は生まれた時から、身内同然の付き合いなんだ。居て当たり前の存在で、家族みたいなもので。イギリスに住んでた時も彼女はうちに下宿する形で同行してた。その時に身体の関係が出来たんだ。でも、俺は彼女に執着することはなかった。だから、色んな人と寝たし、節操なかった。彼女とはノーマルなセックスを一回して終わりだよ。」


やはり後悔した。

聞かなければ良かった。


「ごめん。」



私は謝ると、タクオの首筋に鼻をつけて目を閉じた。

感情の振り幅が大きくなっていた。




話したくないこと。

言いたくないこと。

聞かない方がいいこと。





そんなこともある。





悲しかった。

でも、涙は出なかった。






今だけ見つめるしかない。








タクオの指先が私の身体を撫でていく。

背中を優しく撫でた後、お尻を強く掴まれる。

経血がヴァギナからドロリと落ちるのが分かった。

吐息が漏れる。


唇を重ねて、タクオの舌を受け入れる。

優しいタクオのキス。


初めてキスした時に上手くて気持ち良くて驚いた。

あの時のキスがなければ、私はタクオと付き合うことはなく友達止まりだったろう。


今日は夜までベッドの中で過ごそう。





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