二十歳 ジャスミンとタクオ(43)
卒業式は袴を履いた。
乳白色に鮮やかな赤を組み合わせた古典柄の着物に茄子紺の袴を合わせた。
ジャスミンは鮮やかなグリーンの振り袖に濃紺の袴だった。
成績優秀者の竹下君が代表挨拶をし、ジャスミンが目録を読んだ。
粛々と滞りなく、式は修了した。
謝恩会も思っていたよりも盛り上がって、良い会になった。
スタッフとして出席していたタクオはずっと私を見てた。
私だけを見てた。
私がタクオを見ると100%目があったから・・・自惚れでも構わない。
次の日の夜は仲良しの友達6人と鍋パーティーをすることにした。
私の部屋にみんなが集まった。
4人は地元組で就職も実家から通える所だ。
ジャスミンは東京、私は実家に戻る。
私だけがかなりの遠方になる。
入学してからのアレコレを振り返って、話に花が咲いた。
特に入学した頃の私の愛想の無さはネタになっていた。
「仲良くなれて良かった。」
そう伝えることが出来て嬉しい。
みんな
「遊びに来てよ。」
とか
「遊びに行くね。」
と言ってくれ、最後はみんな大泣きだった。
幸せな夜だった。