二十一歳 志賀さん(15)
シャワーで身体を濡らすと
「身体洗ってやるよ。」
と言って来た。
自分で洗うと言うと、次は
「洗わせて下さい。」
と言う。
笑ってしまう。
私の身体の隅々までを泡のついた掌が撫でていく。
段々指先での刺激に変えて行こうとする志賀さんに
「ちゃんと洗って。」
と笑いながら言った。
ボディソープで泡だらけになった身体をシャワーで流すと髪を洗った。
私の髪が志賀さんと同じ匂いがする。
湯船に浸かると対面で座った。
髪の毛をオールバックにしている志賀さんが新鮮だった。
引き寄せられてキスをする。
キスしながら
「ねぇ。何で会社ではあんなうるさいキャラなの?」
と聞いてみた。
S「ん?ルルは、あれ好かんやろ?」
R「うん。普通にしてたらいいのに。」
S「普通にしてたらモテてまうやんっ。」
胸を隠すような仕草をして身を捩った彼に笑ってしまう。
R「まぁ、そうだろうけど。」
S「いや・・・否定してや。恥ずかしいやんか。」
R「アホちゃう?」
笑いながら言った。
S「何かな・・・女の子は俺の外側しかみぃへんねん。昔っから。普通にしてたら、男からはスカしとるって言われるしな。で、気づいたらあのキャラ。最初のセックスの声もな、変な奴キャラで攻めたらこの子はどんな反応するかと思ってさ。」
R「あれはビックリした。唖然やった。」
S「ルルが「黙ってして。」とか言うたやん。あんなふうに言う子っておらへんねん。みんな俺に合わせてくれて、おかしくてもおかしいって言わへん。それに挿れてからの俺の声に笑ってたやろ?あれ、笑う子っておらへん。みんなビックリしてるだけやねん。」
R「バレてた?笑ってたの。」
S「バレるやろ?笑いを我慢してる顔丸出しやったで。」
R「で、その後はみんなどうするの?」
S「あれに付き合ってくれる。でも、俺自身が疲れてしまって別れんねん。」
R「相手のこと好きでも?」
S「俺な、自分から好きやってアプローチしたんてルルだけやねん。付き合って浮気とかはしないけど、相手のこと好きか?って聞かれたらイマイチ分からへんかった。」
R「嘘や。」
S「嘘ちゃうわ。」
R「今まで付き合った人数教えて。」
S「セックスした付き合いは30人くらいかな。」
R「多くない?」
S「多いかな?」
R「多い。」
S「ルルは?10人くらい?」
R「アホちゃう?そんなにいない。」
S「何人?」
R「秘密。でもそんなに多くない。」
S「ふーん。めちゃくちゃセックス慣れしてるよな。」
R「何それ?」
S「いや、悪い意味じゃなくて。俺な、ルルとセックスして感動してん。お互いに気持ち良くなれるようにしてくれると言うか。気持ち良くなくて演技するようなこともせぇへんし、かと言って空気が悪くなるような感じでもないし。」
私は志賀さんの唇を軽く吸った。
タクオとジャスミンの顔を想い浮かべる。
それは、あの二人の影響だ。
間違いない。